自然に学ぶ技術、ネイチャー・テクノロジーの本 ヤモリの指から不思議なテープ: 松田 素子, 江口 絵理, 石田 秀輝, 西澤 真樹子



ヤモリの指から不思議なテープ: 松田 素子, 江口 絵理, 石田 秀輝, 西澤 真樹子
身近な例いろいろの生物サイエンス本です。2011/12/21発売。

ヤモリはなぜ、壁や天井を歩き回れるのか? カタツムリの殻はなぜ、いつ見てもきれいなのか?
地球の上で、何億年もの長い時をかけて試され、変化し、工夫されてきたすばらしいしくみが、私たちのすぐそばにある、なにげない自然のなかに、小さな生きもののなかに、ひそんでいるのです。
自然に学ぶ技術、ネイチャー・テクノロジーの本です。



ヤモリの指―生きもののスゴい能力から生まれたテクノロジー: ピーター フォーブズ, Peter Forbes, 吉田 三知世
吸盤もないのに壁や天井に張りついて楽々と歩くヤモリ、泥のなかでも汚れ知らずのハスの葉、色素もないのに鮮やかな青に輝くモルフォ蝶…科学顔負けどころかたびたびその先を行く自然の卓越した「技術力」を解き明かし、最先端を切り開く人々に直接取材、カッティングエッジなさまざまの研究成果を紹介する、刺激的なポピュラー・サイエンス。



地球が教える奇跡の技術: 石田秀輝 新しい暮らしとテクノロジーを考える委員会
「ネイチャー・テクノロジー」とは「自然の本質を見きわめ、自然のすごさを賢く活かす技術(テクノロジー)」のこと。

46億年の地球史の中で、淘汰を繰り返しながら「完璧な循環を最も小さなエネルギーで駆動している自然」をサイエンスの目で見直し、まったく新しいものつくりや暮らし方を提案する。

すでに実用化されている「ネイチャー・テクノロジー」の好例が「カタツムリの殻」から生まれた「汚れないタイル(表面素材)」。ビルの外壁やキッチンのぬめりのような汚れを掃除するには大量の水が必要だが、カタツムリは雨に濡れるだけですべての汚れを取り去ってしまう。だからカタツムリの殻をタイルなどの表面素材にできれば、少量の水で汚れを落とすことができるかもしれない。

この発想から、「ネイチャー・テクノロジー」はカタツムリの殻の構造を研究し、「汚れがつきにくく、水だけで取れやすい」セラミックスのタイルやキッチンシンクを生んだ。

著者は、こうした「ネイチャー・テクノロジー」を世界に先駆けて実践できるのは日本人だと主張する。日本人が自然と寄り添いながら生活し、文化を築いてきたからだ。「ネイチャー・テクノロジー」の世界をQ&A形式で平易に解説することで、地球環問題への理解がより深まる本。



自然に学ぶ粋なテクノロジー なぜカタツムリの殻は汚れないのか (DOJIN選書22): 石田秀輝
天然のエアコンともいえる土、洗浄不要のカタツムリの殻、どんな表面にもくっつくヤモリの足、ハンマーで叩いても割れないアワビの殻……自然の中には近代テクノロジーでも容易に真似することのできない「知恵」がある。そんな自然を手本にし、江戸時代の粋の構造までも取り込み、省資源・低環境負荷の技術としてデザインし直すのがネイチャー・テクノロジーだ。これは単なる自然模倣ではない。完璧な循環をもつ自然から学ぶ、新しいテクノロジーのかたちである。資源の枯渇が危ぶまれ、地球環境問題が叫ばれるいま、これからのものづくりに何が必要かを考える。